極悪面のおっちゃん50人抜きの次はひたすら長い通路だった。
もちろんトラップ盛り沢山の。
ゴール。
かれこれ4・5時間、トラップの道を進む俺たち。進むに連れトラップ過酷になっていく。
イルミは何事も無いかのようにひょいひょい歩いていく。
俺も過酷な修行と、じいちゃんのある意味デンジャーな倉庫掃除経験のおかげで、今のところ何の問題も無く進んでいる。
ありがとじいちゃん!あの過酷な倉庫掃除がこんなところで役に立つなんて!!
初めてあの倉庫がありがたく思えた瞬間だ。
そうこうしていると、最後の扉についた。
「俺、イルミがパートナーで良かったよ。ありがとな」
扉に手をかけながら言う。
此処まで簡単に来れたのも相方がイルミだったおかげだな。
しみじみ思う。
強い相手がパートナーってのは心強かった。
これも運だ。俺ってラッキーボーイ?
さり気にイルミはもうギタラクルに戻っている。
「・・・・・こっちこそ。でよかったよ」
ぽそりといわれた。
・・・・なんかすっげ嬉しい。
何でだ?イルミが強いからか。
ちょっと認められられたみたいで嬉しい。
「さ、さんきゅ」
ガラにも無く照れちまったい!こんちくしょー。
『301番ギタラクル、13番。3次試験通過第二号! 所要時間6時間49分』
2番?!よっしゃ、頑張った俺!などと自分を誉めていると、
「や◆」
ヒソカが現れた。
よく見れば出血している。
「おぁ!?ヒソカ、お前怪我したのか?!」
「心配してくれるのかい?」
肩とわき腹から出血しているがすっげぇ笑顔だ。
・・・・・・あぁコイツ大丈夫だ。
ぜってぇ心配なんていらねぇ。
再度俺は悟った。ヒソカに心配ご無用。
俺をにこにこと見下ろしていたヒソカは、スッと殺気を含ませ、イルミ・・いやギタさんの方を向いた。
「君達一緒だったのかい?」
「あぁ、たまたま一緒になってな」
な?とギタさんを振り返る。
「何。妬いてるのヒソカ」
コトリと首を傾げるギタラクル。
くそぅ!何か悲しくなってきた。
「・・・まぁね♠」
「俺も気に入ったから。譲らないよ?」
「君が?珍しいね♣でも、ボクも譲らないよ◆なんだったらヤるかい?」
「それは面倒だな」
だんだん周りの温度が下がっていく。
「おーい、とにかく座らネェ?ヒソカもケンカ売ってないで安静にしとけって!」
「「・・・・・・・・・はぁ」」
「な、何だよっ」
2人して溜息をつかれて慌てる。
とりあえず腰を落ち着ける3人。3角形のように円形に座る。
ヒソカはトランプを取り出し、ギタラクルは針の手入れをする。
・・・・なんか怖い光景だな。
あ、そうだ。メールチェックしとこう。と携帯を取り出す。
ここ3日ほど見ていなかった。
メールを開くと200通を超えるメールが届いていて、そのほとんどが依頼メールなのを、喜んでいいものかちょっと迷った。
思わず溜息を吐く。処理が大変だ。
「どうしたんだい?」
そんなの様子にヒソカが声をかける。ギタラクルは無言でを見つめている。
「ん?あぁ、ここ2・3日メール処理サボってたら、依頼メールが200通超えてて、処理が大変だなーって思ったら、つい溜息が。」
苦笑しながらが説明する。
「「・・・・・依頼?」」
すげぇ!!ギタラクルとヒソカがハモって一緒に首を傾げてる!!!
端から見ればちょっとした恐怖映像だ。
「って仕事してるんだ」
意外そうにギタさんが言う。
レオリオにも言われたけど、俺ってそんなにぷー太郎っぽいか?ちょっとショックだ。
「・・・してるよ。まぁ条件厳しすぎな何でも屋みたいなかんじ?」
物運んだり守ったりとか主流と付け足す。
仕事はめっちゃえり好みする。だって後味悪いのってヤじゃん?
「・・・・・・もしかして、クリムゾン?」
ギタラクルが俺をじっと見つめつつ尋ねる。
「・・・・・・ギタさんも知ってんのかよ」
何で皆知ってんだ。
俺は脱力した。こしょばすぎる。
20050925