試験会場への道は、美味しいにおいが漂っていました。

 

 

 

試験開始前。

 

 

 

ジンさんのツテでキリコの夫婦にナビゲートしてもらって着いた場所は「飯どころ ごはん」

そこでステーキ定食を弱火でじっくりを頼んで、キリコと別れた。

のんきに肉を頬張っていたら部屋ごとエレベーターらしく、軽い浮遊感がなんとも不快だ。

ステーキは美味いが、このエレベータの降りてますって感じは頂けねぇなぁ。

とか思いつつもステーキは食べる俺。

 

 

・・・チンッ


 

 

エレベーターの向うは・・・薄暗い地下道でした。

 

 

「・・・・ってか少なっ!!」

 

 

受験者はまだ20も満たない・・・しまった早く来すぎたっ!!

もっとキリコといっしょに遊んでればよかったー!目くるめくもこもこ毛皮触り放題〜!!

軽く後悔していると、俺のコートが引っ張られた。

 

 

「プレートです。」

「・・・・・ん?」



 

下をみればそこには・・・・・
豆!!!

豆みたいな人が番号札を差し出していた。

豆!まめだよ!ちっこいよ〜!!なにこれ、てか人?(失礼)はわー触ってみてぇ〜!!

俺は新種の動物(だから失礼)の発見に興奮して目を輝かせた。端から見たら変な人決定だ。

 

 

「・・・あの?」

凝視する俺に豆さんは困ったように笑った。

「あ!あぁゴメンナサイ。」

慌てて差し出されたまま放置されていたプレートを受け取る。

 

 

受け取ってみれば俺の番号は13・・・・・これって何か不吉なんだっけか??

・・・・・・・・・・まぁいいや。

あまり深く考えてもしょうがない事柄だと判断して、とりあえず、腰の辺りにつける。

 

 

 

に、しても暇。

みんな厳ついやつばっかで話相手になりそうなの居ねぇし、俺も今浮きまくりだし。

まぁ街でも浮くけどな!!!悲しいね!

その理由は、俺の持っている鎌だと俺は睨んでいる。身の丈越すような鎌持ってれば流石に浮くわなぁ。

そんな俺の格好は、黒の肩口の開いたタンクトップの上に、黒のシンプルな細身のロングコート、フードつき。

下はこれまた黒のスッキリしたズボン。そして黒のブーツ。

右の腰には美容師さんのシザ−バックに似た赤い薄いかばん・・・というかそんなの。その他ヲレットチェーンやベルト。

黒でシンプルに統一してマス。なので他に目立つ要因はナイ!・・・ハズだ!

 

俺の鎌はやっかいで、ずっと傍に置いておかなくちゃいけない。てか、3メートル以上離れると勝手に手の中に戻ってくる。

さすが曰くつき。 なんで俺がこの鎌に選ばれたのかは未だに解らない。

まぁ俺の意のまま邪魔なときは形を変えたり、いろいろ可能。便利だ。

でもなんだかんだでこの鎌を気に入っているので、なるべくもとの形のまま持ち歩いている。

選ばれたばかりの頃「お前はそいつと長い付き合いになるんだし、なるべくもとの形になれとけ」とか言われていたので、その癖ってのもある。

 

 

あぁ〜それにしても視線が痛ぇ。ここの皆さんはライバルの観察に忙しいらしい。

・・・・暇だし・・・そこの壁にでも寄りかかって寝るか。

思い立ったら吉日。俺はさっそく腰をおろして惰眠を貪ることにした。

片足を立てて頭を乗せ、寝る体制に入る。もちろん鎌は放さない。

いつ襲われても大丈夫な体勢で寝る。サバイバルな環境では特に。

身に沁みている事だ。

そしてサバイバルのおかけでこんな状況でも寝れちゃう図太さGET。素直に喜べないのが難点だ。

 

 

それから俺は5分と経たずに眠りの世界へ足を突っ込んだ。

きっと今の俺なら早寝選手権とかで上位入賞できる。

・・・・・・・まぁどうでもいいけど。

おやすみなさい。

 

 

 

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