バンッ

・・・・うわぁ・・・ゴン怒ってるよ;

 

 

 

 

試験終了

 

 

 

ハンター証の説明会の途中、大きな音を立てて扉を開け放したのは、予想通りというというか。

怒ってます!って顔に書いてあるゴンだった。

ゴンは一直線にイルミに向かった。

 

「キルアに謝れ」

 

「あやまる・・・?何を?」

「そんなこともわからないの?」

「うん」

「お前に兄貴の資格ないよ」

「・・兄弟に資格がいるのかな?」

イルミはゴンの前を向いてゴンに見向きもせずに淡々と答える。

段々とゴンの怒りメーターが上がっていくのが分かった。

 

俺はそれを通路を挟んだ隣側で見つめる。

 

むっとしたらしいゴンがイルミの腕を鷲掴みして引っ張りあげた。

イルミが軽々持ち上がったので、これには俺含む皆ビックリする。

おぉお見事!

すげぇイルミも驚いてる!!・・・でも着地は華麗に決まった。

 

 

「友達になるのにだって資格はいらない」

 

 

 

そのあと、キルアを連れ戻す。とか、操られてるとか。

最終試験でのごたごたした言い争いが起こったけど、ゴンに一蹴されて収まった。

 

「それより、もしも今まで望んでいないキルアに、無理やり人殺しをさせていたなら・・・お前を許さない」

・・・・その目がジンさんそっくりでちょっと感動だよ俺。

 

「許さないか・・・・で、どうする?」

聞くんだ。

「どうもしないさ」

しないんだ。

「お前らからキルアを連れ戻して、もう会わせないようにするだけだ」

するんじゃん!

てか、ゾル家から連れ戻すって!すげぇやゴン!

てか、お兄ちゃんは弟に会えなくなるのはヤだろ?ブラコンだから(俺の中で決定事項)

 

さらにギチギチとイルミの腕を握り締めるゴン。

痛そうだな・・・と俺もその腕を見つめる。

そんなゴンに、何を思ったか無表情のままのイルミがすぅと手を近付ける。

 

・・・・なんか、その手からすごく嫌なかんじがした。

 

・・・・なんだろ?

俺は目を細める。

ゴンも感じたようで、すぐさまイルミから離れた。

 

 

『・・・・・・・・・・・・』

 

 

その沈黙を見逃さず、ネテロじぃちゃんが話をもどす。

・・・じゃなくて、マーメンさんが再度ハンターライセンスの説明をして、じぃちゃんからの言葉を賜り、俺達は晴れてハンターとなった。

 

 

 

 

 

「ギタラクル。キルアの行った場所を教えてもらう」

ウ―――ワ―――イルミがイルミの格好でギタラクル呼びなのバリ違和感!!

俺がその違和感に悶えているとゴンが苛立ったように声を張る。

 

「キルアは俺の友達だ!!絶対連れ戻す!!」

マジそっくり!次ジンさんに会ったらコレでもか!ってくらいからかってやろう!!

「・・・・・うしろの3人も同じかい?」

「当然よ!」

レオリオが威勢良く言う。

3人てのは、俺、クラピカ、レオリオだ。

・・・でも、

「俺、ちょっと仕事で遅れて行くわ」

カイト兄のトコ行かなきゃならない。

「えぇ〜〜〜」

ゴンが残念そうに項垂れる。

「ごめんて!」

ぐしゃぐしゃとゴンの頭をかき混ぜる。ゴンはやめてともがいて、イルミはそれを無表情で見下ろす。

 

「・・・・いいだろう。教えたところでどうせたどりつけないし。キルは自宅に戻っているはずだ。ククルーマウンテン。この頂上にオレ達一族の棲み家がある」

有名だよねー。てか、たどり着けないんだ

 

 

そんなやり取りの後、ネテロじぃちゃんからの激励の言葉を賜って、解散となった。

 

・・・・俺以外。

 

なんだよ「はちょいと残ってたもれ」って!とくに”たもれ”って!!

 

 

俺がちょっと不貞腐れていると、じいちゃんが髭をさすりながら近付いてきた。

「ふむ。よ、おぬし、シングルハンターになる気はあるか?」

「え?面倒だから、な」「あるじゃろ?」

「・・・・・ハイ」

怖いデス。

 

「そこで、試験としてある仕事をして欲しいんじゃ」

「あ。無理。今月はダメ」

「キルアかの?まぁいい。それまでにあるものを覚えて来れればベストじゃな」

「あるもの?」

尋ねると、じぃちゃんは少々渋い顔になった。

「お前のじぃに口止めされとって言えんのじゃわい」

「ふ〜ん?」

「まぁ、今の時点で、今年の合格者で知っておるのは2名だけ、とでも言っておくか」

「???」

「では用が終わったら連絡してくれぃ」

「・・・・わかった」

なにやら、ひょひょひょと笑いながら去っていくジィちゃん。

・・・・・仕事ってなんだろ。・・・面倒だなぁ。

 

 

 

部屋を出ると、出てすぐのところにヒソカとイルミが居た。

「よぉ!お前らこんな所で立ち話かよ」

「やぁ♥話は終わったのかい?」

「おう。よくわかんなかったけどなぁ」

苦笑いする。ホント訳わかんネェ。面倒事が増えたってかんじ。

 

 

そこで俺はイルミが言葉を発していないのに気が付いた。

「・・・・どうしたんだイルミ?」

俺をじっと見ている。・・・・なんだ?

 

「あ!イルミ腕平気か?!」

「折れてるってよ♠」

「マジ!?」

ゴンすげぇな!・・・じゃなくて!!

「ちょっと貸せ!」

イルミを手近なイスに座らせて、腕に持っていたシップ薬を包帯で巻いて手当てする。

その様をじっと見て、びっくりしてるみたいだけど、やはり何も言わないイルミ。イルミ・ギタさん化!?

 

「・・・・は・・・怒ってないの?」

 

手当てされ途中の腕をみながら、イルミがぽつりと言う。

「・・・・へ?」

「だから、はキルのことで、オレのこと、怒ってないの?」

「何で俺が怒るんだ?」

「・・・・怒ってないの?」

俺をじっと見上げて少し首を傾げる。

何この生き物!

は、鼻血鼻血。(あれ?可愛いもの=鼻血ってちょっと違うか?)

 

「ま、まぁイルミの家では当たり前な感じだろ?アレ。イルミはキルアを大事にしてるみたいだし。ただ、ちょっと過保護すぎだと思うぜ。キルアにはまだ、いろいろ重たいんだろ。無理強いもよくないんじゃねぇ?」

「・・・・そう」

イルミが思案するように視線を前に戻す。

「まぁ他の家のことだから口出しはしないけど、キルアには絶対会いに行くぞ。(自称)友達だからな」

「わかった」

 

「ククク・・・・本当には面白い◆」

「ぐぇっヒソカ重いっ!!」

また後ろからのしかかられる。

「いいじゃないか♣」

「よくない!お前だけ楽するなよ!」

俺は大変なのにお前は楽なんてズルイじゃないか!

「クククク・・・♥」

「ちょっとヒソカ、から離れなよ」

「ヤダ♥」

「・・・・・」

しばし睨み合うヒソカとイルミ。

 

「あ!」

それを先に破ったのはマイペース人間イルミだった。

「そうだ、オレの家くるんだよね?だったら親父の仕事引き受けてくれないか?さっき連絡とってみたら頼まれてさ」

 

「依頼・・・・?内容にもよるけど」

「オレも良く知らないんだ。とりあえず、オレのとこ来てよ」

スクッと立ち上がるイルミ。

「あ!でも今日はダメだ。依頼入ってるから。んー明日か明後日になるな」

「ふーん。1人で来れる?」

「イルミがいるとこにならいけるから大丈夫。でも依頼内容によっては断るからな?」

そして全力で逃げる!!

「わかった」

「あ。いきなり現れても攻撃すんなよ!?

針攻撃はもう勘弁だ!

「うん。じゃぁあの時みたいな方法で来るんだね?」

「おぅ」

「あの時って何だい?」

「ん〜四次試験のとき。詳しくは話す機会があったらな」

「ちぇ〜」

おぉ!ヒソカが拗ねた!!

 

「じゃぁ明日、屋敷で待てるよ。あ。試しの門から入ってこないとミケに殺されるかもしれないから気をつけてね?」

怖っ!!

「試しの門?」

「そう。1〜7の数字の書いてある大きな扉、アレを全力で押して入ってきてね」

「・・・わかった」

・・・何があるのさ。今から行くの憂鬱なんだけど。

 

「じゃぁボクは携帯が出来たら連絡いれるよ」

ヒソカはそういってバイバイ♥といってひらひら手を振った。

それに俺とイルミも別れを告げてそれぞれの方向に歩き出す。

 

「あ」

イルミが声をあげたので振り返る。はやくもヒソカは姿が見えない。早っ!

イルミが俺に近付く。

「これ、ありがと」

腕を軽くあげて言う。お礼言われた!!

「どういたしまして」

ちょっとむず痒い。俺がにやけ顔返す。

すると、イルミが俺の前髪をそっとあげた。

「イルミ?」

 

・・・ちゅっ

 

イルミは俺のオデコに小さい子にするみたいに軽くキスをした。

「コレお礼ね、バイバイ」

と今度こそ消えた。

てか早っ!

 

俺は暢気にイルミの御礼の仕方はかわいいなぁ。

とか、ちゅーされたオデコを摩りながら考えていた。

 

 

 

 

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20051003  ハンター試験編完結です!次はゾル家。