3次試験会場へ向かうために、俺たちは飛行船へ乗り込んだ。
ネテロじいちゃんも同行する事になって、朝の8時まで自由、になった矢先。
「−!!」
4人組に捕まりました。
飛行船の中
「ねぇねぇ、アレどうやったの?」
ゴンが目をキラキラさせながら詰め寄る。
「・・・・な、何が?」
あまりに眩しいオーラに俺はちょっと押され気味になる。
「2次試験のとき、クモワシの卵取ったときのアレだよ!どうやったんだよアレ!!」
なんこと?と本気で首を傾げる俺に、キルアがじれったいとばかりに捲くし立てる。
「・・・あぁ、もしかして俺のあの時の帰り方のことか?」
「「そう!」」
キラキラとお子様に見上げられてちょっと引きながら俺は答える。
「アレはただジャンプしただけだぜ??」
「「「「うそだぁ!」」」」
「(さっきからハモリがすげぇな)嘘じゃねよ?」
ちょっとは俺を信じようぜ?と首を傾げる。
「おま、どんな足してんだよ。あの高さだぜ?」
レオリオが信じられねーぜ、と言う。肩をすくめる動作は様になっていてやっぱり一見俺より年下に見えない。
「んー俺、こんなでっかい鎌持ってるだろ?と、なると、接近戦では足が重要になってくるわけ」
手が使えないからな。と手をぷらぷらさせてみる。
「それで脚力が常人離れしているのか・・?」
まだ信じきれないとクラピカが呟く。
「どうやったらみたいになれる??」
キラキラの瞳がまぶしいゴンがたずねる。
なんだかチビッ子の憧れのヒーローになっちゃった気分だ。
一人っ子の俺としては年下と接することは極端に少なかったから、こういうのは新鮮だ。
俺はにっこり笑ってゴンの前にしゃがんで答えてやる。
「ジンさんにさんざ鍛えてもらって、ここまでにしたんだ」
「親父に?」
へぇ〜っとゴンは楽しそうだ。俺もその顔をみてつられて微笑む。
「具体的にどんなことをしたのだ?」
とクラピカがちょっと乗ってくる。
「ん〜まぁ常に足に錘をつけて生活してたな。もちろん修行もつけたまま」
「オモリってどれくらいなの?」
「最初は50kgだったけど、最後のほうはトン単位だったなぁ〜」
そういうと「すげぇな」とキルアとレオリオがハモる。
「ふっ、誉めてくれ!しかも今でも仕事以外の時はつけてるんだぜ?なまり防止で」
「「「・・・仕事?」」」
意外にもキルア以外の3人がハモった。
何でだ?と思うもすぐに3人の反応に納得する。
「あぁ。そうだった、キルアにしか言ってなかったな」
「えーキルアずるい!!」
「ごめん、別にいうことでも無いと思って」
ぶーたれるゴンに素直に謝る。
どことなくキルアは得意げだ。
「、もう仕事してんのか?」
レオリオが以外だとばかりに尋ねる。
「おう、かれこれ4年やってマス」
「何をやっているんだ?」
クラピカの質問に答えようとしたら、猫顔のキルアに横取られた。
「聞いて驚くなよ?はクリムゾンなんだぜ!!」
「俺より先にばらすなよ。てかそれ仕事ってか、仕事名だし」
キルアは満足げに笑っている。
クラピカとレオリオは驚いて、ゴンは首を傾げている。
一番に口を開いたのはゴンだった。
「クリムゾンって何??」
「あぁ・・・・「「「知ら(ねぇ/ない)のか!?」」」
俺が答えようと口を開くと、今度はゴン以外の3人に邪魔された。
というか・・・
「えぇ!?皆知ってんの?」
「だから、お前結構有名なんだってば!!」
とキルアが怒ったように言う。怒られも困るって
「ゴン、お前相当田舎モンだなっ!クリムゾンってあの運び屋だろ!?」
「や、レオリオ他にも色々やってるから、運び屋もやるけどさ」
「死神の二つ名をもち、その技の優雅さにファンも多いらしい・・・そうか、が・・・」
「クラピカ、それはおそらく間違った情報だから!」
「って凄いんだね!!」
「や、たぶん噂の一人歩きだから、マ・ジ・で!!」
てか、恥ずかしすぎて死ぬ。
「・・・・俺、なんかどっと疲れたから、寝るわ」
「ちぇ〜。ゴン!飛行船の中探検しようぜ」
「うん!!」
俺が寝るというとキルアとゴンは探検へ、
「オレもとにかくぐっすり寝てーぜ」
「私もだ、おそろしく長い1日だった」
レオリオとクラピカは眠りに行った。
いっしょにどうだと誘われたけど、シャワーを借りたかったから遠慮した。
はぁ・・・ホントどっと疲れた。
今日一番つかれたかもしれない。
俺はふらふらとシャワー室へ歩を進めた。
20050923