「くくくくく・・・♠」
・・・・・・・・・・ピエロ発見。
飛行船の中A
「何笑ってんだよ、ヒソカ・・・;」
俺がシャワーから帰ってくると、広間に俺の寝るスペースは無かった。
てか、かなりムサかった。
ある意味地獄絵図だなあれは。所狭しと雑魚寝する野郎ども。女性は別室かなんかかな。
もしあのむさい中寝てるんだったら可哀想過ぎる。
あれは俺でも耐えかねるからな。
そういうことで空いているところはないかと見回っていたら、何やら不気味に笑うピエロを発見した。
何故かピエロの周りには十分すぎるスペースが空いていた。
・・・・嫌われ者なのか、ヒソカ。
俺はちょっと可哀想なモノを見る目でヒソカを見てみた。
「やぁ♥どうしたんだい?」
「寝るとこ無くてさ・・・そこ空いてるか?」
ヒソカの近くの空いたスペースをさして聞く。
「あぁ空いてるよ♣」
にっこり笑って他にも空いているのに隣をぺしぺし叩く。
「・・・・・」
ぺしぺしぺしぺしぺしぺし
「・・・・・・・」
隣は座っちゃいけない気がすごくしたから、俺は無言で向かい側に座った。
ヒソカは「残念♠」とか言いつつ楽しそうだ。
さぁ寝よう。と寝る体制に入る。
けど、ヒソカがこちらをじっと見ているので、寝るに寝れない。
「・・・オレノ カオニ ナニカ ツイテマスカ?」
超カタコトな俺。落ち着け俺。頑張れ俺。
「いいや?ただ美味しそうだと思ってね♥」
・・・・ぎゃ―――っ!食い物扱いですのこと?!えっ?!俺食い物?喰い物?!
百面相する俺に、ヒソカはものすごく楽しげだ。
「くくく・・・♥やっぱり面白いなは♣」
からかわれてる?いや、おちょくってる?!
・・・・いいや・・・ヒソカだし。あきらめよう。
俺は悟った。
ヒソカと真剣に会話しようとすると疲れるということに。
「ヒソカはまだ寝ないのか?」
トランプタワーを作り直すヒソカに尋ねる。
「うん♣もうすこし遊んでからにするよ◆あぁの寝姿見てるのも楽しいかもね♥」
「やめれ」
マジで。
「くくく◆」
「・・・・・」
笑うヒソカを今度は俺が凝視してみる。
「・・・・ボクの顔に何かついてるかい?」
「おう。星と涙のペイントが」
「上手くかけてるだろう?」
「・・・なんか奇抜なスタイルに気を取られてて気付かなかったけど、ヒソカって綺麗な顔してんだな」
大発見です。
目は切れ長だし、鼻筋は通ってるし。「綺麗」っていうか「かっこいい」かな?
ペイント落としてまともな格好すればモテそうだ。羨ましい。
「・・・・・・・・くっ・・・くくくくく・・・♥」
じっ・・・とヒソカを観察しながら口走ったら、ヒソカは一瞬固まって、今度は笑い出した。
「・・・・あ?なんか変なこと言ったか?俺」
「まぁね◆面と向かってそんなこと言われたの初めてだよ♣」
「そうか?」
そのあと、ヒソカと取り留めの無い話をしていたけど、眠くなってきたので眠ることにした。
結局ヒソカは寝ずに、時折、目の前で無防備に眠る見ては、忍び笑いを漏らしていたことを、は知らない。
20050923