目が覚めると、そこにはヒソカのどアップがありました。
三次試験開始。
「起きなよ♥」
変わったイントネーションの声が聞こえる。
「♣3次試験会場に着いたよ?」
へー3次試験・・・・?なんの・・・・だっけ・・・・?
「起きないと襲っちゃうよ??」
ほー襲うのか・・・・・・・てか声近くないか?
「〜?」
「んー?」
パチリ
「・・・・・ぎゃ―――――っ!!」
思わず叫んだ。だってピエロがまさに目と鼻の先に居たんだもの!!
俺はゴキ●リのごとくすばやく移動した。
俺の小鳥のようなハートは、今、必死にマシンガンよろしく鼓動を刻んでいます!
「なっ・・・何すんだよヒソカ!!」
心臓を抑えながら言う。
「何って、君を起してあげたんじゃないか♥そんなボクに向かっていきなり叫ぶなんて・・・ボクも傷つくんだよ?」
「うぇ!?ご・・ごめん」
しゅ〜んと項垂れるヒソカに慌てて謝罪する。
「くくく・・・◆まぁいいよ♪それより降りよう♣目的地に着いたみたいだからね♠」
ヒソカに手を引かれて誘導されながら、ぽてぽて歩く。
寝起きの悪い俺は眠い目を擦りながらヒソカについていく。
ふらふらと巨大な鎌をゆらつかせながら歩くは、軽く危険人物だ。
周りが引いているのにも気付かず、あくびをしてコートの長い袖で眠そうに目を擦る。
3次試験はどうやらこのタワーの下まで72時間以内に行くこと。
いつの間にかヒソカがいなくなっていたので、ゴンたちを探した。
すると、タワーの端で下を見ているゴンとキルアを発見。
「おぁよ〜〜〜」
俺がまぬけに声をかけると2人とも「おはよ!」と返してくれた。
いい子達だよ!(親父発言)
「眠いの?目蓋が落っこちそうだよ?」
子供のようなに、苦笑いしながらゴンが顔を覗き込む。
「んー眠い。でもダイジョブ」
「ホントかよ?」
キルアも苦笑してる。
なんだ?そんなに寝起きが悪いのが可笑しいのか??
「・・・何見てたんだ?」
疑問に思って聞いてみる。
「んー?なんかロッククライマーっておっさんが壁沿いに下りてんだよ」
「マジ?!」
キルアの発言に驚く。そんなに取っ掛かりも無いだろうに。
俺が感心しているとゴンが声をあげる。
「あ・・・」
「「ん?」」
「あれ」
指差された先には耳障りな鳴き声をあげている黒い転々。
近付いてくるにつれ、それが何なのかハッキリしてくる。
怪鳥の群れ。
あー―――ぁ。
確実にこちらに向かっている。おそらく、標的はあのロッククライマー。
ご愁傷様です。と胸の中で軽く手を合わせると頭を切り替える。
外壁を伝って下へ行くことはムリ。ってことは・・・隠し扉か。
そんなことを思っていると、遠くで一人の男が下に下りるのが見えた。
ビンゴ。やっぱり隠し扉だ。
ゴンとキルアも見ていたようで、その扉に近付いて念入りに調べている。
その様子からするに、1人に扉はひとつ。
こつこつ足音を立てながら歩く。そのうち音が違う床を見つけた。
ここだな。
「―!」
ゴンたちが手を振っている。
見つけたんかな?扉。まぁ俺がとっちゃ悪いし、俺は此処にしよう。
俺もゴンたちに手を振かえして、自然に扉に足をかける。
フッと地面が下がった。
トン。と着地成功。
着地してから、一言も言わずに落ちたから、もしかしたらゴンたちにたまたま落っこちたと勘違いされてるかもと思い当たって苦笑する。
とりあえず部屋を見渡す。
部屋には扉がなかった。
閉じ込められた?!とか焦ったけど、良く見れば壁の一箇所に何か書いてある。
「えーーっと何々?【二人一組の道。君たちは助け合いながらさまざまな試練を乗り越え、二人そろってゴールしなければならない】・・・か」
その壁の前には腰くらいの高さの円柱状のものあり、上には手形のセンサーが2つあった。
此処に2人で手を乗せれば扉が現れるってわけか。
じゃあ相方待ちだな!
よっしゃ待とう!と微妙な気合を入れた矢先、ぎぃっと音をたてて天井が一部下がった。
次の瞬間、落ちてきたと思われる男が、音もなく着地した。
顔じゅうに針をさした痛そうな男が。
2005024