地下道の次はヌメーレ湿原でした。

 

 

 

ヌメーレで再会。

 

 

 

俺は今、レオリオとクラピカと走っている。

さっきまではゴンたちと一緒だったし、次はこっちってことで。

出口付近で偽試験官騒ぎがあったけどあのピエロがうまく納めてくれた。

・・・もしかしていい奴なのか?と、ちょっとソイツの印象を変えてみたり。

 

 

そんなことを考えながらゆっくり走っていると、

「レオリオーー!!クラピカ−ー!!ーー!!

キルアが前に来た方がいいってさーーーー!!」

と叫ぶゴンの声。

ゴンナイス!お前やっぱイイよ!!腹筋がぷるぷるいうぜっ!!

周りのおっさんたちのげっそり顔ったらない。

 

「どアホーーー!いけるなら とっくにいっとるわい!!」

レオリオ!お前もナイスだ!!

「そこをなんとか頑張って来なよーー!!」

「ムリだっちゅーーーの!!」

なんて緊張感の無さだ!!なんかもう呆れ通り越して素晴らしいよ!!

なんて、くすくす笑っていたらクラピカさんに呆れた顔をされました。

 

 

「・・・・でも、マズイな」

霧が濃くなってきてる・・・・。

今からスピードアップしても良いけど、レオリオはこれ以上早く走ることはできなそうだし。

そういやレオリオの武器はゴンが持っている。

状況としてはあまり笑っていられなくなってきた訳だ。

 

 

それからまもなく、まわりの至る所から悲鳴が聞こえ始めた。

「ちィ!知らねーうちにパニックに巻き込まれちまったぜ」

「どうやら後方集団が、途中から別の方向へ誘導されてしまったらしいな」

レオリオとクラピカが言う。以外に冷静で安心する。

俺は一段と濃くなっていくイヤなかんじに身構える。

 

 

ピリッ・・・

 

 

突然襲ってきた殺気と何かが飛んでくる気配に俺は力の限り飛んだ。

 

 

って・・・・飛びすぎたーーー!!

 

 

下を見れば豆粒くらいのクラピカが武器で飛行物体を弾き飛ばすのと、腕にバッチリ攻撃をくらったらしいレオリオが見えた。

霧の先から・・・ピエロが出てきた。

あぁ・・・なんだっけ名前・・・ってそれどこじゃねぇ!!

ちなみに俺はまだ上昇中・・・・まじ飛びすぎた。咄嗟のことと緊張があいまって足に力が入りすぎたらしい。

「てめぇ!!何しやがる!!」とレオリオが叫ぶのが聞こえたところでやっと俺は降下に入った・・・。

間に合え俺!

 

 

ビュオォオォー・・・・と俺の頬を風がきる。キンキンに冷えた空気は少し痛い。

ピエロが何か言ってるらしいが、風と周りの悲鳴が邪魔で聞こえねぇ!もどかしさに俺は眉を寄せる。

俺が着地する頃には、クラピカとレオリオ、そして格闘家っぽい人の3人とピエロしか残っていなかった。

 

「君ら全員不合格だね◆」

 

ピエロがそういうのが聞こえた。・・・・不合格・・・?試験の一環なのか?

「残りは君たち3人・・・・・」

そのとき俺がやっと着地した。

「・・・おっと♠4人だけ♥」

 

ふふふと機嫌よく笑うピエロ。

正面に来てよくわかるこの男の強さ。相当強い。

じわじわ近づいてくるピエロに気を配りつつ、格闘家さんがばらばらに逃げようと言い出した。

いい判断だと思う。

「今だ!」

という合図にみんな一斉に逃げる。

おそらくあの中で一番目をつけられてるのは俺だろうと思ってそりゃ必死に走る。

 

 

 

 

 

そして俺は・・・またやりすぎた。全力で逃げたら、はぐれた。

ジンさんに鍛えたられた脚力は半端じゃない。これだけは自信がある。

でもまだ緊張すると加減ができない。

未熟だな俺・・・・あ、悲しくなってきた。

 

「・・・どうしよう・・・。もうみんな逃げたよな・・・・」

 

おそらくすでに5分程度は経っている。それぞれ散り散りになっただろう。

そして俺はどこまで来てしまったか解らない。結構な距離を走ってきてしまっただろう。

だれかの下へ飛んだほうが良さそうだ。

よし。一番心配なレオリオのトコまで飛ぼう!!

俺はそう決めて、頭の中でレオリオを意識する。

すると自分が霧になるような感覚に襲われ、景色が歪むとすっ・・・と周りの景色が変わる。

移動完了だ。

気配のほうに目を向けると、10メートルほど先に・・・

 

ピ、ピエロ・・・・!?

 

なんで?!俺はレオリオのところに来たはずなのに!!ついに鎌もボロが出始めたのか??

あぁ〜俺なんか悪いことした?!ねぇ!?

 

 

俺がパニックに陥っているとピエロがこっちに気づいた。

・・・・・やっべぇ!

俺は身構える。

すると、「やぁ♥また会ったね♥」と以外にもにこやかに挨拶されてしまって、俺は脱力した。

どうやら俺に敵意はないらしい。アレだけ暴れて気が晴れたのか、ご機嫌にすら見える。

 

 

「・・・・・あ!レオリオ!!」

そこで俺はピエロの肩にレオリオが乗っていることに気づいた。

「大丈夫◆生きてるよ、彼は合格だから♣」

「合格???」

何のことだ??俺は首を傾げる。

「安心して君も合格だから◆もう攻撃したりしないよ♠」

楽しそうにピエロがいう。確かにもう殺気は感じない。まぁいっか。

俺は悪い癖をここでも発揮した。

 

 

「・・・・レオリオ、どうしたんデスカ?」

一応年上っぽいので敬語を使ってみる。

「あぁ、彼、あのあと僕に攻撃仕掛けてきてね・・思わず殴っちゃたんだ♠それで気絶しちゃったからね◆あぁそれと敬語は要らないよ♥」

「へぇ・・・面倒見いいんだ?」 

 

てかレオリオすげぇな・・・、お前は勇者だ!

 

「そうでもないよ♣そうだ!君も一緒に行こう♥」

ピエロは楽しそうに良いアイディアだと手を打つ。

「2次試験会場、分かんのか」

「うん◆」

「・・・じゃぁよろしく」

危ない気もするけど、心底悪い奴じゃなさそうだし・・・いっか。

ピエロと並んで走り出す。

 

 

「君は面白いねぇ♥そうだボクはヒソカ♠ 君は何ていうんだい?」

お?意外と礼儀正しい!!

かなり意外で驚くが、これは良い発見だ。

。よろしくな、ヒソカ」

にっこり言うと、ヒソカは少し目を見開いてからクスクス笑い始めた。

「・・・何か変なこと言ったか?俺」

「いいや◆ただ・・君はホント面白いよ♣」

「???」

 

 

そんな会話をしていると、会場らしきところに着いた。

ヒソカは彼を頼んだよ、とレオリオを木の根元に置いて行ってしまった。

またね♥ということを忘れずに。

 

 

 

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20050920

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