そうだった。俺、ゾル家に滞在中だった・・・。
俺は自分を起こした人物を見てその事実を思い出した。
はいやってみて。
俺は寝苦しさに意識が浮上した。
んん〜重い。なんだ!?金縛り?!体が動かない・・・・っ!!
「おはよう」
ばっと目を開けると俺の腹の上にカルトが正座して乗っていた。
おのれか〜!!てか膝めり込むから!
ばっちに腹にめり込むカルトの膝。く、苦しい。
「おはよ?」
返事をしない俺をいぶかしんだのか、首を傾げてもう一度カルトが挨拶する。
・・・・可愛いから許す!(をい)
「おはようカルト。ところで、起きられないから腹の上から退いて頂けるとものっそい嬉しいかな」
俺は引きつらないよう最新の注意を払って努めて笑顔でお願いしてみた。
「うん」
カルトは素直にどいてくれました。
うん。いいね弟!メロメロです。素直な子供は可愛いもんです。
緩んだ顔のまま、起こしてくれた礼を言ってカルトの頭を撫でる。
すると、かちゃりと音を立てて右奥の扉・・・つまり風呂の扉が開いて、イルミが出てきた。
・・・朝シャン(古)か?お年頃め!!
(ちなみにイルミはただシャワーを浴びただけで髪は昨日の夜洗ったのでシャンプーはしていない)
「あれ、起きたんだ。おはよ」
「おはよう」
今日はカルトのおかげで目覚めばっちりだぜ!
・・・・・て、
「そういえば、なんでカルトが此処に居るんだ?」
「朝ご飯を持ってきたんだよ」
「・・・朝ご飯?」
カルトの答えに首を傾げる。
「朝から修行だから、軽めの食事の方がいいからね。執事に頼んだんだけど」
「僕が途中で執事と会ってかわりに持ってきたんだ」
兄弟息があっておりますねぇ〜。代わる代わる淀みなく説明していく兄弟に感心する。
「そっか。わざわざありがとうな」
「別に」みたいな顔をするカルトの頭をまた撫でる。
「起きたなら修行するから、さっさとご飯食べちゃって」
イルミがそういって近くのテーブルからサンドイッチの乗った皿を俺に渡す。
「・・・・・・・・・・・・・毒入り?」
「もちろん」
・・・・・・・美味しそうなんだけど・・・・けどなぁ・・・・。
「イタダキマス」
そのあとカルトはゼノさんのところへ行くと言って出て行った。
「さて、纏はだいたい完璧だね」
「あ」
そういえば忘れてたけど、できてるみたいだ。
「・・・?気付いてなかったの?」
「あはは・・・」
「優秀だよ。無意識に出来るようになったんだから」
そういって俺の頭を撫でるイルミ。
久しぶりの感覚はちょっとくすぐったい。
「・・・・・イルミお兄ちゃんみたいだな」
「・・・・・・なんか複雑かも」
「?」
「ま。いいや、次、昨日言った絶ね」
「へーい」
「じゃ、やってみて。気配殺すのといっしょだから」
「ん」
え〜と?気配を殺すのか。
俺のすげぇ得意分野。ビバ地獄のサバイバル!
「これでど?」
「うん。完璧。やっぱり素質あるね」
「さんきゅー」
これもそれもジンさんのおかげさ!ありがとうジンさん!
サクサクすすむ修行。
「それじゃぁ次は練ね。まず見本みせるから」
そういってイルミが纏の状態になる。
「こう、全細胞からエネルギーを貯めるようなイメージで練る。それを一気に 外へ 放出」
「外へ」の部分を言った瞬間にイルミの纏うエネルギー量が増した。
「はい、やってみて」
「・・・・・・はーい」
サクッといくねイルミくん。俺ちょっと途惑っちゃうよ。
俺はふぅと一息ついてからエネルギーを貯めるイメージをした。
なんとなく、こう、体の先のほうから腹の方へ集まるイメージをする。
・・・・どれくらい練ればいいんだろ?
さきほどイルミは5秒も練らなかったから、よし!と思うときに外に向かってクラッカーをイメージして勢い良く外へとオーラを開放した。
「「・・・・・・・」」
「・・・・おぉ!できちゃった感じ?」
「・・・・・・・・・すごいね・・・・」
驚いたような顔をするイルミ。大きな目がさらに大きくなっている。
「そうかな?イルミの教え方が上手いんでないの?」
「いや、初めてでこんな・・・やっぱりすごいよ。それにオーラの絶対量がありえない」
・・・・ありえないって何ですか――――!?
「まぁ、今日は練の修行だよ。練る時間を出来るだけ短く、練るオーラの量は多く出来るようになってね」
「わかりました師匠!」
「できるまでずっと練ね」
・・・・・頑張ります。
今日一日、練をして終るだろうな。
20051020