だぁ〜くそ!!練って難しい〜!

・・・・・・てか、本気で休みとかって無いの?

 

 

 

スパルタイルミ 

 

 

 

「練って〜ためて〜外へ!!」

ブワッと外へ向けてオーラを放出する。

だんだん纏わせているオーラの密度が上がってきた。

「うん。順調。でも、もっとための時間を短縮してその状態になれないとダメ

「・・・・いえっさぁ」

 

スパルタです。

 

自分はゆったりイスに腰掛けて針の手入れなんぞなさってます。

それが様になってるから、なんか悔しい。

教え方は上手いけど、マジ容赦ねぇぞ!!

まぁ、今のところ平気だけどさぁ。

 

もっと早く・・・なぁ。

ためるスピードを上げないとダメなわけだ。厳しい。

まぁやってみるっきゃねぇな。

 

「・・・・・とぅ!」

お。ちょっと早くなったか?

「よっ!」

おぉ!やればできるジャン俺!

あ。掛け声は気にしないでくれ。気合だから。気合。

 

 

「うん。上達早いね。あと、体にそんなに力入れなくても大丈夫だよ」

「あぁー・・・そういや知らないうちに力んでたかも」

「いつ、いかなるときも即座に練が出来ないとダメだからね」

「へ、へ〜い・・・」

 

 

それから俺は2時間ほどぶっ続けで練の特訓をした。

 

さすがに疲れた。額にじんわり汗をかいた。ほっぺが熱いです。

「うん。ほぼ完璧。よく頑張ったね」

「おうよ〜」

誉めてくれるイルミに、床に寝そべりながら、ひらひらと手を振る。

その手をとって、イルミが俺をひょいと引っ張りあげる。

 

「ちょっと休もうか。丁度そろそろお昼だし」

「おー。やりぃ」

イルミは俺をそのまま引っ張ってベットまで運んでくれた。

「ちょっと待ってて。今から何か作らせるから」

・・・・・ホントすげぇなゾルディック!

文化がちげぇよ。

イルミはなにやら電話で二言三言話してまた此方に歩いてきた。

「あと5分もすればできるって」

「さんきゅー」

「・・どういたしまして。どう?だるいとか吐き気とかある?」

「ん〜ちょっと疲れたけど、無いぜ?」

「そう。やっぱりすごい素質あるよ。ふつう初めてで2時間以上もぶっ通しで練なんてやったら、

倒れたり、下手したら衰弱死とかもあるのにね」

「へぇ〜〜・・・・・・え?

 

今なんて言いやがった??

 

「うん。だからすごいなって」

「すごいなじゃねぇよ!俺軽く死にそうだったんじゃねぇか!!」

「え?平気でしょ?だるくないんでしょ?」

きょとんと首を傾げながらイルミが問う。

「う?ま、まぁな」

「じゃぁ余裕だってことじゃん。それにこれくらいで死なないって思ったし」

「う・・・」

それだけ認めている宣言されたら怒るに怒れない。それに現に俺はぴんぴんしてるし。

 

 

「まぁ、倒れるくらいかなって」

「を――――い!!」

倒れんのもダメだから!!その前にこまめに休憩とらせろやっ!!

 

 

そうこうしているうちに、5分経ったらしく、ドアがノックされる。

「入っていいよ」

イルミが入室を促す。

・・・・と、入ってきたのは

 

サンドイッチの乗ったお盆と、ティーセットをもったシルバさんだった。

 

な・・・なんて似合わない!!!

「・・・・・・・・・・・・・・・・・親父なにやってるの?」

イルミの顔が若干引きつった気がする。

「ん?執事に聞いたらお前らも食事らしいから、俺も一緒に食おうと思ってな。ついでに持ってきてやったぞ」

「母さんたちは?」

「外でカルトの修行中だ」

「ふ〜ん」

 

そんな会話の中、俺は笑いを堪えるのに必死だ。

たくましいゾル家当主がお盆を!!!

しかもあれだ。ティーセットのお盆もあるから、両手にお盆。

ハーンズアップ!!

お・・・可笑しい!!!!

 

「あれ?でもコレ2人分だよね?」

イルミが気付いて問う。

「あぁ。俺の分は後から来る」

丁度シルバさんがそういったときドアがノックされて、入室を許された執事達が食事とテーブルの用意をものの20秒で終らせた。

「失礼します」と風のように消えていった。

 

は・・・速い。

 

てか、執事さん若ぇな。

俺、初老くらいで白髪の”セバスチャン”とか”チャーリー”っていう感じの人だと思った。

 

 

「よし!じゃ食おう」

「そうだね。こっちおいで?」

「ぅ?あぁ」

イルミが手招きするので、俺も食卓に加わった。

お昼はまたもやサンドイッチ。

だけど、朝のとはパンの種類が違うし挟まっているものも違う。

それとスープ。きちんと栄養配分されているみたいだ。

「はい。これの」

「さんきゅ」

間違ってシルバさんのなんて食べたら死ぬから。

 

もぐもぐ食べていると、シルバさんが俺に話題をふった。

「どうだ?念の修行は」

「思ったよりは大変じゃない・・・かな?想像よりは」

「ほぉ」

シルバさんが感心する。サンドイッチ片手に。

あぁなんて異様な光景なんだ!!

俺とイルミとシルバさんでテーブル囲ってサンドイッチ!!

正確に言えば、サンドウィッチ!!

 

俺がそんなアホなことを思っていると、イルミが口を開いた。

素質あるよ。もう練はほぼ完璧。2時間練習してもこのとおりだし」

「ほぉ。先が楽しみだな」

にやりとシルバさんが笑う。

「そうだね」

イルミも賛同する。

いや、楽しまないでくれ?

俺の頬は若干引きつっていたに違いない。

 

 

しばらくして食事が終ると、シルバさんは「頑張れよ」といって去っていった。

なんでもシルバさんは説いて教えるのが不得手だそうだ。

ホントに飯食いに来ただけだったな。

 

 

「じゃ。オレ達は修行の続きね」

「おう」

「じゃぁまず、練、5時間ずっと出来るようにしてね

 

 

・・・・・・・スパルタです。

 

 

 

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20051023