「ねぇ、そういえば、能力は決めたの?」
・・・・・・・・・能力?
めるへん求めむ。
錬の修行を黙々としていると、本を読んでいたイルミが、思いついたように言った。
「能力って?」
「あれ?考えてないの?」
「てか、考えるものなのか?」
俺はてっきり、自然に自分の技を使えるようになるもんだ、と思ってたぜ?
「そうだよ?言わなかったっけ?自分あった・・まぁ、あわなくてもいいけど、能力を自分で編み出して、使えるようになるってことが重要だから。自分で技を編み出したり。修行の成果も”錬”という」
そうだったのか!!
「ん〜たとえばイルミとかはどうなの?」
「まぁ、オレのは暗殺向けってだけ教えてあげるよ。あとはダメ」
・・・スパっと切られてしまった。
「でも、それじゃわからん!」
まったくもって、俺なんて特質だし。よけいわからん!!
「そうだな・・・・」
イルミは少し思案した後、口を開いた。
「じゃぁヒソカの念を教えてあげるよ」
「・・・・・は?!」
念って、人に知られると切り札にならないからダメなんじゃないのか?!
「ヒソカは危ないからね。後で会うんなら知っておいたほうがいいよ」
「や、そうかもしれないけど、ヒソカに悪くないか?!」
「いいんだよ、ヒソカだし」
何だその理屈は。
「ヒソカの場合はね、バンジーガムっていう能力で、ガムのくっつく性質と、ゴムの伸び縮みの性質をもった変化形の能力を持ってるんだ」
「へぇ」
サックっと教えてもらっちゃう俺。いや、ほら、参考資料は必要だからな。
「やっかいなのは、凝してれば跳んでくるヤツは避けられるけど、攻撃の際に付けられてしまう可能性があること。
ヒソカはもともと変化系だから、オーラを変化させる能力に向いてる。それをフルに活用して、攻撃に有利且つ、シンプルで利息の無い技を編み出したんだと思うよ」
「へぇ!すげぇな。・・・てか利息とかって何?」
「より大きな能力を使うなら、制約・・・たとえば命をかけるとか、特定の行動をするとか、条件をつける。
すると、そのリスクの分、強力な能力を使えるんだよ」
「へぇ〜」
「まぁ頑張って考えなよ」
「うぃ〜」
能力・・・能力なぁ・・・・。
イルミによれば、除念に使えそうな珍しい性質を持ってるらしいけど。
アレだろ?んーと、念の無効化、もしくはそれに順ずるもの。だっけ?
んで、除念目当てに狙われる確立が高い〜っと。
そんなら・・・何か道具のせいに見せかける・・・とか?
具現化系を装うか。鎌のこともあるし。六性図でも隣だし。
操作系でもいいかも・・・相手を操作して念を無効化させてると思わせれば、それなりになんとかなるか?
ん〜でもやっぱ鎌は手放せないから具現化か。
んー・・・・。
は器用にも、錬を乱すことなく悶々と考えている。
具現化にするにしても、何を具現化するかだよな。
とりあえず、俺の円の範囲内なら俺の能力は有効なハズ。
ん〜〜〜・・・・・・・・・・・・。
「あ”〜〜〜!もう!誰か俺にメルヘンな想像力をくれ!!」
「めるへん?」
あまりに聞きなれない単語に首を傾げるイルミに、気にしないでくれ、と言って、
はまた考えこもうとしたが、発想力切れで撃沈。
「あ〜もういいや!もちょっと時間かけて悩む!だからイルミ、系統別の修行教えて!」
「わかった。じゃ、明日からちょっとずつね」
「よろしく師匠!」
とりあえず、系統別修行でいいかんじのにしようと思います。
ホント、想像力を俺にくれ。
20051113