「こんにちはゼブロさん!」
「・・・・・っ!」
また会いましょう。
いきなり声をかけた俺に驚いたのか、ゼブロさんは持ってい湯飲みを落としてしまった。
「ぅおっ!ゴメンナサイ!」
「さん?あぁ!お気になさらず!」
いい人だなぁ・・・ゼブロさん。
まぁ、イキナリ現れて、後ろから声かければ誰だって驚くだろう。
慌てて片付けを手伝おうと湯飲みを拾おうと手にすると・・・
ずしりと、普通の湯のみとは比べ物にならない重さが・・・。
「・・・・湯のみ重いですね」
「あぁ、20キロあります。日々訓練ですから」
にこりと笑うゼブロさん・・・このずっしり感・・・相当なれないと和めないよ。
さすがゾル家の守衛さん。
よくよく回りと見れば、どうやらここは小屋のようだ。
「ところで、どうかしましたか?こんなところにいらっしゃるなんて」
ゼブロさんが布巾を片付けながら聞いてくる。
「あ!そうだった、ゴンたち知りません?」
「ゴン君達でしたら、今日、門をクリアして本家へ向かいましたけど・・・?」
「じゃぁ、まだ行って帰ってきてはいないんですね?!」
「え?えぇ、帰ってきたなら、そこの窓から見えますし、見逃しても、今日の守衛のシークアントから連絡も来るはずです」
不思議そうに、でも丁寧に答えてくれるゼブロさんはめっちゃ人がいい。
それにしても、間に合ってよかった!!
「ゴン君がどうしたんです?」
その様子みてを心底不思議そうにゼブロさんが質問する。
「え?・・・あぁ、キルアが2時間くらい前?家を出たらしいから、そろそろゴンたちと合流して門でるころかな〜って追っかけてきたんですよ」
いきなり押しかけてすみませんと、ちょっと気まずくて右後頭部あたりを軽くかく。
「いえいえ。それじゃぁ、門の外で待っていましょうか。どこを通っても、あの門だけは通らないと外に出れませんからね」
「そうですね」
のほほんと微笑みあいながら、一緒に門の外へと向かった。
門の外で待機してから約15分、ぎぎっと音を立てて門が開いた。
15分の間、俺はシークアントさんに挨拶をして、本当に綺麗に直されている門をみてほっと息を吐いたりした。
「わ〜凄いキルア!ホントに3まで開いたよ!!」
「ばっか!当たり前だろ〜?」
じゃれあうゴンとキルアの声が聞こえる。
「遅い」
門の前で体育館座りしながら、4人に声をかける。
『?!』
「俺以外の誰に見えるよ?」
ふっふっふ〜!驚いたかぁ!俺の絶は完璧さっ。
ポカンと口をあけて固まった4人を順に見て、俺は噴出した。
「くっ・・・あはははは!男前が上がったな皆!得に12歳組!!」
すくっと立ち上がってゴンとキルアの頭をぐりぐりなでてやる。
どっちもボロボロだ。うん!青春してるジャン?
「わっちょっ!」
「ちょっ!やめろよ!!」
「あはははははは〜」
相変わらず可愛いな〜2人とも!
「・・・変わってないな、」
「今まで何処にいたのだ?」
びっくりする12歳組と、ちょっと苦笑気味のレオリオ。
そして冷静に質問をするクラピカ。
「ん?ずっとゾルディック家の本家にいたけど?」
『えぇ?!』
「何であれから会いに来てくんなかったんだよ」
守衛さん含め皆が驚く中、キルアがちょっと機嫌を損ねた感じで言う。
「あぁー・・・ごめん。イルミが連れてってくれなくてさ」
「は!?なんで兄貴?」
「あの屋敷でかすぎて迷うんだもんよ。誰かに連れてってもらわないと」
「ま、そういや、そうだけどさ・・・」
頼んでも修行修行と軽くあしらわれてしまったさ。
それにキルアに会いたいって言うとなんか機嫌悪くなるし、イルミ。
「ホントごめん!!」
このとーり!と両手をあわせて思いっきり謝ると、キルアは焦って別にいいよと言ってくれた。
「・・・はどうやって本家まで行ったの?」
ゴンの瞳が好奇心にキラキラと光る。
あははぁ〜ご免よゴン、これはトップシークレットなのさ!
これからは念のせいってことにするし、秘密ですな。
「ん―――・・・。日頃の行い!」
「何だそれ」
レオリオが呆れる。
「まぁ、ハンターやってればその内わかるって」
「「ふ〜ん?」」
ごまかしきれたかは微妙だけど、とりあえず皆黙ったところで話題変換する。
「ところで、このあと皆どうするんだ?」
「私は仕事を探そうと思う」
「俺は受験勉強だな!」
俺の問いにクラピカとレオリオが答えた。
「えぇ?!2人とも一緒に来ないの〜?」
ゴンはちょっと残念そうに言った。
「そういうはどうすんの?」
キルアが聞いてくる。
俺?俺なぁ・・・・。
「あと10日はゾル家にいるかな」
「マジで?」
キルアがちょっと退いた。・・・なんかむかつくなぁ。
「なんで10日も残るの?」
ゴンが聞いてくる。
いや、10日もってか、10日しか、なんだけど。
「ビザ切れちゃうから、ぎりぎりまでいようかなっと」
「「「・・・・・・・・・・・・・・・・・」」」
俺が言うと、ゴンはへぇ、と言っているが、残り3人に凝視された。
・・・・呆れた顔で。
な、なんだよ!なんか文句在るのかよ!いいじゃん!ぎりぎりまでお世話になったって!
「って受かったんだよな?試験」
おうともさ!それがどうしたキルア??
「・・・・・・・、君はハンター証を使わなかったのか?」
クラピカが頭が痛いとばかりに額を押さえる。
・・・・ハンタ証?
「あれ使えばいくらでも外国滞在できるだろうよ」
今度はレオリオがお前馬鹿だろって顔で俺を見る。
・・・・・・・・・・・・・・・・。
「「あ」」
「「「あ。じゃない!!!」」」
俺とゴンがハモり、のこり3人が突っ込んだ。
そのあと、雑談して、ゴンは持ってなかったからダメだったけど、残りの3人とは携帯の番号とアドレスと交換した。
「また会おう」
そういって俺達は別れた。
次に会うのは9月1日。ヨークシン。
20051117