野を越え山越え谷越えて〜♪

やって来ました天空闘技場。

 

 

 

喫茶店にて

 

 

 

朝、ホテルをチェックアウトして飛行船に揺られ、只今2時半。

俺は今天空闘技場のまん前にいる。

ぶっちゃけ受付に並んでるごついおっちゃんやにいさんの視線が怖いです。

もうヒソカも喫茶店に来ているだろうと、俺は比較的怖そうでないおっちゃんに場所を聞いてそこへ急いだ。

 

で、ついたわけだけど・・・・

「ここにいるのか?ヒソカが?

 

思わず声に出しちまったぃ。

だってアンティークな感じの落ち着いた普通の喫茶店だし。

や、普通で結構なんだけど。

むしろ綺麗なトコでラッキーなんだけど。

いやいやいや。まず、なんでこんなのが天空闘技場にあるんだってことだよ。

 

色々ツッコミをいれるが、結局はまぁいいかと思い直して、俺はチリンとベルをならして喫茶店に入った。

 

 

 

中もなかなか清潔感のあるいいかんじの店だった。

本当にヒソカが居るとは思えない。

とりあえずあの派手な男を捜そうと店を見回す。さほど広くないのに、ヒソカが見つからない。

・・・なんでだ。

そう思っていると、「あぁ、こっちだよ♥」と、独特な声が聞こえた。

声のした方を振り向くと・・・・

 

やたら笑顔のさわやかなお兄さん一名。

 

「・・・・・・・・・・!?ヒ」

ソカ、と言おうとしたが、「しー」と口元に人差し指をあてるしぐさをされたのでやめた。

とりあえず、その人の向かいの席に座る。

 

やっぱり彼はヒソカだった。ペイントも奇抜な髪型もないが。

てか、やっぱり綺麗な顔してたんだな、ヒソカ。

なんでも、ここだとヒソカは有名人らしく、騒がれるのがイヤだから、大きな声を出さないで欲しかったらしい。

「それにしても、さわやかボーイだな。ヒソカ」

「・・・・誉めてるのかい?」

まじまじとヒソカを見て一言。

だって普段からは想像もつかない爽やかさだぜ?

おまけに今日はあのピエロ服じゃなくて、白系で統一されたお洒落なヤツだし。

「誉めてんだよ。やっぱ俺の眼に狂いはなかった!!」

ヒソカはやっぱりいい男でした。

・・・・・黙ってれば。

さっきから、いろんな人がちらちらと盗み見てるし。

まぁ、普段は普段で別な意味でちらちら見られちゃってるんだろうけどな。

 

 

 

「そう?あぁ、そうだ◆はいコレ携帯」

ゴソッと、ヒソカがジャケットの胸ポケットから出して寄越した。

「わっすげっ!」

それはカード型の折畳式で、かなり薄い。1センチあるか?ってくらい。

ボディが深い赤で中が黒。ボタンの数字とかは白。

シンプルで俺好み。

 

「あぁ、それでね、情報もれ防止でメールの方は指紋認証式だから♣」

といって携帯をさしていろいろ説明してくれた。

指紋登録もできたし、使い方も分かった。

「サンキュー!」

これはマジで嬉しい。

「どういたしまして◆作ったヤツにも喜んでたって伝えとくよ♣」

「よろしく!」

「あぁ、ちなみに発信機とかはつけないようによーく言っといたから大丈夫だよv」

「へ、へぇ・・・」

そんな笑顔で怖い事いうなよバカっ!背筋が寒くなっただろうが!!

 

「あ、そういや代金は?」

「あぁ、350でいいって。あいつにしたらサービス価格だよ♠ボクも驚いちゃった♥」

「へぇ〜わかった。はい」

とお金を差し出す。まず300。100の束にして持ってきてたから、50は数えなきゃな。

「あと50、ちょっと待って・・・」

1 2 3・・・・・・

 

「ところで、闘技場にエントリーしないかい?」

11 12 13・・・・

「んー・・・・・どうしよーねぇ・・・・・」

25 26 27・・・・・

「まじめに聞いてないね?」

「ちょ、ちょっと待ってくれって!」

「・・・・・・・♠」

・・・45 46 47 48 49

「50!ハイ!どーぞ!」

「うん♠で?闘技場にはエントリーするのかい?」

「ん―――。金は無いでもないしなぁ」

悩む俺にヒソカがペルシャ猫みたいにニィっと笑って言った。

 

ゴンとキルアはもう200階で戦ってるよ♥

「へ・・・・・・・・・ぇえ?!

ゴンとキルアって、ゴンとキルア?!

ココにいるってか?!

「マジで?!」

「本当だよ◆どうだい?やる気になったかい?」

「う”・・・・・」

「ここでだったら宿代もかからない上、お金ももらえるし、運動不足解消にもなるよ?」

 

じり・・じり・・・と、にじり寄ってくる嫌なオーラ。

 

「あ”――――わぁった!エントリーします!満足か!?」

「うん♥」

すっと消える嫌なオーラ。

もういいさ。修行だと思えば軽いね!

念能力も増やしたいし。

 

 

 

半ば脅されてな気もするが、ゴンとキルアと会いたいし、まぁ、いっか。

お気楽思考でそう思うことにする。

俺は早々にあの長―――い行列にむさい人らに囲まれてちょっと哀しくなりつつも並び、やっとのことで受付にて手続きをした。

そして、早く上の階に行ってゴンたちを驚かしてやろうと決めて、クスリと笑いを零した。

 

 

 

 

BACK  TOP  NEXT

20051229