何なんだ一体。
ネタバレ
俺たちは、さっきからの試合のビデオを繰り返し見ている。
はっきり言ってさっぱり分からない。
「どこが気になるか教えろ」って・・・ぶっちゃけ全部気になるっつーんだよ!!
「おーい。お前ら、流石に恥ずかしいからもうやめてくれ〜悶え死にする〜」
ビデオに集中していると、後ろのソファーでクッションに顔を埋めてが悶えていた。
「だってよぉ。わからねぇんだもん」
「んなもん凝すりゃ一発だろーが!!」
「「・・・・・・・・・・・・・・・・・あ」」
そういや、最近出来たばっかりだから忘れてた。
体力使うから、なるべくやりたくないってのもある。
「あ。じゃねーぞ!!悶え死にするっつの!!!」
の顔はほんのり赤い。
「「いーじゃん、そんなに照れなくても」」
「お前ら!!自分の声を自分で聞く恥かしさを知らんのか!!」
・・・・・・・・まぁ、わからなくもないかも?
「・・・なんだよ、そのキョトンとした顔は」
「・・・・気にすんな」
はぁ、とが溜息をついた。
「でも、オレたちまだ2,3分しか凝できないんだ」
とゴンが眉根を寄せて言う。
は「へ??」と間抜け顔だ。
「そうなのか?・・・・・・・んーじゃぁヒントな。最初の凝ポイントは鎌での攻撃のとき。次はサダソが踊り出す直前」
俺たちにがちょっと呆れ気味に教える。
まぁ、最初に俺たちだけで暴く!とか大口叩いたのはコッチだけどさ。
「教えてやったんだから音声消せよ!音は関係ないから!!」
俺は渋々テレビの消音した。
・・・・・・・ちぇ。悶えてるも結構面白かったのに。
行きますよ。とウイングがビデオをまわす。
それに合わせて目に神経を集中させる。
まだ慣れないせいか、目元だけが熱くなるような感覚がする。
音のしない箱の中で、が能面野郎を薙ぎ払う。
「「・・・・・・・・・っ!」」
何だ?今の。
薄っすらと鎌の刃にオーラが纏われていたのは分かった。
次だ。サダソの体を通り過ぎるとき。
オーラが・・・・・・消えた????
霧のように無くなったのだ。
「ほら、次来ますよ」
と、驚きで集中が途切れていた俺たちにウイングが声をかける。
いっけね。
気を引き締めて、再度凝をする。
「「・・・???」」
何だ?
のほうに変わりはない。
若干、サダソの野郎のオーラが増えたような気がするくらいだ。
何なんだ??
「わかったか?んじゃー終わり〜〜〜」
・・・・・・・・・は?!
「「まっ・・・待って!!!」」
「あんだよーわかったろ?」
「「全然!!!」」
「マジに?」
「「マジ!!」」
てか、わかったらスゲェーって!
混乱しまくりな俺たちをよそに、はそうかー?と首を傾げてる。
ムカツク。
「んじゃーよーく見てみ?”オーラの質”を」
「「オーラの質?」」
「そ。そうだなぁ、例えば、ヒソカのオーラとゴンのオーラは全然違うってのは分かるか?」
「うん!でも、オレとヒソカでなんていうの?系統が違うからじゃないの??」
ゴンが首をかしげると、は楽しそうに違う違うと顔の前で手をふる。
「それじゃぁ、ヒソカと同じ系統のヤツみんな同じオーラの質ってことになっちまうぞ?あんな禍々しいのがいっぱいいて溜まるかっての!」
「あ。そっか」
「てか、どういうことだよ?」
「んー何ていうのかな。系統じゃなくて”質”。まぁ実際どうなのか知らねぇけどさ、俺には人それぞれ、オーラの感じが違うと思うわけ」
「「??」」
「例えばー・・ゴンのは、分かりやすく色で例えると黄色とか黄緑とか、元気な感じなオーラ。で、ヒソカはどす黒い感じ」
「あーわかるかも」
「だろ?」
「で、キルアは色で言うと蒼とか、なんか涼しげな感じ?」
「あ!わかる!!」
「・・・そうか??」
・・・・・なんか恥ずかしいな。
「まぁ、ここまで極端でなくても、人それぞれちょっと違う”感じ”がするわけ。そこに注目」
ニコニコとテレビを指差す。
オーラの質・・・ねぇ?
「行きますよ」とウイングがこちらに確認をとる。
「「OK!」」
再度、の言っていた2ヶ所を見てみる。
はっきり言って違いなんてほとんど分からないけど、
言われてみれば、ちょっと違う気がする。
の方が強い感じ。サダソの方はうねってる感じ。
うまく言えねぇけど。
鎌がサダソを薙ぐ。
「「・・・・・・・・・・」」
イマイチ。よく分からないけど、違和感がある気がする。
サダソが踊り出す。
・・・・・あ。あぁ!!
「「何コレ!?」」
勢いよく俺たちが振り返るとはニヤリと口端を持ち上げた。
「わかった?」
「う・・・うん。でもこれって」
「・・・オーラが・・・サダソに・・・?」
「御名答。
俺のオーラをサダソに移したんだ」
20060318