熊さんには感謝だ。
ネタバレA
「移すって・・・そんなこと出来んのか?」
キルアが半ば独り言のように聞いてくる。
「出来るようになった」
これぞ山篭りの成果!!
「へぇ〜!すごいや!!」
「んん。もっと言ってくれてもかまわんぞよ」
鼻高々な俺。
扇で顔を煽るしぐさとかしちゃったり。
「ぞよ・・・って」
「ゴンは素直で可愛いな〜」
「おい!!!」
キルアはムキになってて可愛いなぁ。
言ってやらないけど。怒られそうだし。
「そういえば、最初のあの鎌のヤツ。何したの?オーラが消えたみたいなんだけど」
「あ!そうそう、アレなんだったんだよ」
お?
「わかんなかった?」
「「わかんなかった」」
あれ?そんなに難しい事してないんだけどな。
「あれはただ相手に俺のオーラを植え付けただけだけど?」
「「何ソレ!?」」
「何って・・・あ、お前ら制約しってっか?」
コレ知らなかったら意味ない。
「「?」」
「まぁ、条件つけてそのリスク分色々できんだけどよ、俺の場合鎌での攻撃による相手へのオーラ移植が条件な訳。OK?」
「「お、OK」」
「さて、問題です。俺のあの攻撃は何系でしょう〜」
「「・・・・操作?」」
「正解〜」
グリグリと二人の頭を撫でてやる。
「さんは操作系すか?!」
今まで黙っていたズシが念の系統について興味があるのか尋ねてくる。
教えてあげてもいいんだけど、イルミの鉄鎚が怖いので、
「あぁ〜〜〜秘密・・・?」
と、ちょっと可愛子ぶって首を傾げてみた。
あぁ!ご免!シュンとしないで!若気の至りだから!!謝っから!!
「そ、そうすか、残念ッす」
「あぁ〜〜ご免!俺のお師匠さんに口止めされてるから!!」
破ったらそりゃもう恐ろしいことが待ち構えてそうだから・・・!!
「あ。いいっす!気にやまないでください!」
俺とズシでペコペコしていたら、ウイングさんが笑いながら止めに入った。
「さんは謝らなくて結構ですよ?ズシ、あとゴンくんとキルアくんも、覚えておいてください。”他人に自分の能力を教えるのは命取り”自殺行為です。まぁ一部の人に教えるのはいいでしょうが、実践においては、自分のデータが知れているといないとでは随分ちがいますからね」
「「「オスッ!」」」
そこで、ハタ、と気づいたようにゴンがこちらを振り返る。
「、これ俺たちに教えちゃってもいいの?」
あぁ、そっか。俺今まさに自殺行為真っ最中だな。
「ん?あぁ、平気だぜ?俺あと1個技あるし、これから頑張って増やすし」
「「「あと1つ!?」」」
「そ。だから、この技についてはお前らの疑問に答えましょー。修行のお手伝いってことで」
にっこり笑ってやると、3人して口をあけて固まってた。
「「「す、すごい(っすね/ね/な)」」」
「そ?」
なんかガン見されてっけど、まぁいいや。
「んで、何が聞きたいんだ?」
「あ、じゃぁどうやってオーラ植付けんだ?」
キルアが軽く手を上げて聞いてくる。
「簡単だぜ?鎌で相手の体を貫通するときに一緒にオーラを置いていくってだけ」
「それって鎌でしか出来ないの?」
「あー相手の体に俺の持ってるものとかが入り込んでればできるけど、制約で鎌に限定してるからダメだな」
「「「へー」」」
「あ。どうやって操るんすか?」
「相手のオーラを俺のオーラでのっとるんだよ」
俺のオーラの特性で強制的に相手の念を封じてってのは秘密だけどな。
だから念の力云々はまだ操作できなかったり。
「てか、それなら制約とかいらないんじゃねぇ?」
と、キルアの鋭い突っ込みが入る。
ところがどっこいメリットはデカイ。
「普通、こういうやり方をする場合、本体、つまり俺と相手はオーラで繋がってる事が多い、でもこれなら俺とヤツとオーラを繋がなくても大丈夫ってわけ。だから俺は敵さんに居場所を突き止められずらいし、気付かれづらいって訳だ」
「そっか。オーラを完全に切り離して操るための条件付けってことか」
キルアが顎に手を当てて呟く。
ゴンはちょっと目を回し気味だけど。
「そのとーり。考えただろ?」
ただ、弱点としては相手が絶状対だった場合掛けられないってことだな。
まぁ、咄嗟に気付いて硬でもなんでもしてくれればコッチのもんだけどさ。
コレは秘密。弱点は人に言いませんさ。
「どうやったら出来るようになるの?」
ゴンがキラキラと見つめてくる。
っく!まぶしい!!
「そうだな、とりあえず、俺は山篭りで森の仲間たちに支えられて頑張ってみた」
「何ソレ」
「特に熊さんには感謝だ。鮭を巡って俺と熱いバトルを繰り広げてくれたからな!」
「何やってんだよ」
熊さんを馬鹿にすんなよ〜?!
テディとかめっちゃ可愛いけど実物めっちゃ怖えぇんだぞ〜?!
「まぁ本当の所は野生動物の観察かな。野生の知恵拝借。あとはひたすらにイメトレと修行のみ!」
「そっかー」
「やっぱり日々の努力なんすね!!」
「そういうこと。がんばれよ〜」
「オスッ!」
そのあとも色々質問攻めにあって、日が沈んでから、それぞれの部屋へ分かれた。
俺は疲れていたのか、すぐに眠りについた。
20030319