聞いて奥さん!蜘蛛の団長さんって美人さんでしてよ!
対面
団長さんとやら、美人さんです。
黒髪黒目で睫毛長い!
いや、セクシー美女のほうがバッシバシに長いけどね。
てかオデコにタトゥ―って度胸あるよね。
そしてオールバックって、いつもしてると禿げるらしいよ。
・・・あれ?趣旨ずれてきた?
とにかく美人さんです。
お肌とかめっちゃ象牙色っすよ。
うーわーイルミと並んでほしー。
・・・・にしても、誰かに似てる気がする。どこかで会っているとか?いや会っていたら覚えてるだろう。
そんなことを思いながらしげしげと見ていたら距離を取られてしまった。
ちぇ、つまんねぇなぁ。
「うわーっ君の髪、光が当たるところで見るとまた不思議な感じだねぇ」
おっ何だ?さわやかお兄さんが近寄ってきたぞ?
「あら本当だわ。触ってみてもいいかしら」
おぉ?!お姉さんも寄ってきたぞ?
右手に爽やかお兄さん、左手にセクシー美女。そして正面にだんちょー。
・・・・・・・・・・・・・。
「両手と前に花?!」
「「「は?」」」
「うわー俺って今お得な位置」
ほくほくとにやけながら前後に揺れていたら、3方向だけじゃなく5方向から視線が突き刺さる。
「・・・・・・・何か?」
「「・・・・・(君/貴方)って変わってるって言われない?」」
「・・・・・・・・・」
兄さん、姉さん。
何 故 そ れ を ? !
いや、断じて俺はおかしくない。だってそうでしょ?俺めっちゃ小市民。
めっちゃ普通の人。まぁちょーっと念とか使えるけど。
・・・・・・・・うん。
「俺めっちゃ小市民です!」
「「「「嘘をつけ!」」」」
「何故に?!」
え?君たちのボクの何がわかるというのですか?!
折角笑顔全開で答えたってのに!
そこで俺は声を発していない一つの存在に気が付いて、そちらに目をやった。
そこには、水色の塊が。
バチッっと視線がぶつかる。
「・・・・・・・か」
「「「「か?」」」」
「かわいい」
「「「「はぁ?!」」」」
俺と目があうと、ちょっと身じろいだそれ。
なに、このミニマムサイズ。
なに、このさらさらの髪!!
なんかアレだよ。こういうなんかがいたんだよ!めっちゃかわいいの!ぽわぽわしてるの!!
ひょいっとジャンプして目の前に降り立てば、めっちゃ警戒されてる。
後ずさってるし。
うーふーふー逃がすかっ!
こんなふわふわさらさらな子、触らないなんて俺が廃る!!
「はい!」
「・・・・・・・な、何?」
俺はしゃがんでソイツに向かって手を差し出した。
じゃじゃーん、チビ共のための常備品!
「飴玉」
ころんと転がる可愛らしいそれ。綺麗だし俺も嫌いじゃない。
でも、なかなか寄ってきてくれない。
「・・・・おいしいよ?」
ありゃ?不発?
よくテレビでチビッ子を誘拐するときとかこの手で成功してるじゃんか。
この飴マジで美味しいんだけどな。
雨でダメになってたりはしてないはず。ちゃんとビニールに包まれてるし。
試しに手の内の1個を取って口に含む。
・・・美味しいじゃん。水あめを練って作ってあるそれは程よく甘い。
「・・・飴、嫌いか?」
「・・・・・い、いや・・・」
・・・何でしょ?
20050506